かみさまのふねneo

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YUNO 2

【ハジマリと、おかいもの】

「ウマレル……ウマレ」煩い。
 再び落ち込みかけた意識を、無理やりにでも覚醒させる。

 あぁ、漸く、一日が始まるのだ。

 窓の外は、真っ暗な、セカイ。
 壁掛け時計を見ると5時の少し前あたりを指していた。
 いつもより一時間以上も早い目覚めのようだ、忌々しいコドモたちめ。

 ふぅ。

 ベッドを降り、部屋を出て、顔を洗い、寝癖を整え、また寝室に戻って、服を換える。
 何事もない一連の起床動作。
 寝惚けて居たって出来る、反射的単純作業。

 願わくば今日も、何事もない一日であるといいのだが。

 最後にもう一度髪を整えて、階段を降り、キッチンルームへと至る。

「お早う。」

 返事は、ない。
 いつもなら、あの変に律儀な同居人が既に食事の支度を始めている筈なのだが。

 と、軽く見渡したところで冷蔵庫のホワイトボードが目に入る。

コンビニまでおかいものに行ってきます。
 30分もあれば戻れると思います。

 私が予定より早く起き出してくる可能性を考慮して、こんなメモを残す。
 やはり律儀な奴だ。
 こんな早く目覚めることなど、滅多に無いというのに。
 いや、むしろアレと同居するようになってからは一度も無いような気がする。
 寝坊したことなら、何度と言わずあるのだが。

 さて。
 30分、というのがいつの時点から30分なのかは分からないが……しかし、私が置き出せばあの律義者は耳聡くそれに気づくだろう。
 それに、玄関を出入りすれば私も気づく……はずだ。
 もっとも、寝惚けた自分の聴力がどれほど信用できるものなのか、とか、そもそも勝手口から出られたら二階までは音が聞こえないし、とか色々と問題はあるのだが。
 まぁ、いずれにせよ私が顔を洗いに部屋を出る以前に家を出て行ったことになる、はずだ。

 時計を見る。
 5時13分。

 そうなると、遅くともあと15分もすれば帰ってくるはずだ。
 あの超が付くほどの律義者が、指定した時間を越えることがあるとは思えない。

 が、そこでキッチンテーブルの上の財布に気づく。

 これがここに有っては、買い物を済ませても支払うべき料金を持ち合わせていないことになる。
 それは、かなり、困る。
 お金を払う側も受け取る側も困るだろうが、何より私が困る。
 なにしろ、あの慌て者でもある律義者はきっとその程度のことで間違いなく大騒ぎする。
 その醜態は瞬く間に広められ、またご近所さんの生暖かい視線を浴びるネタが増えることになるのだ。
 それは、本当に、困る。

 仕方ない。

 私が急いで、近所のコンビニまで約5分。
 その道をあの暢気者は10分かけて歩き、店に入ってから5分ほど店員と話し込み、さらに5分かけて商品を選び、そして漸く代金を支払うと考えれば……ギリギリ、間に合う可能性もあるか。
 ギリギリ、間に合えば、いいのだが。

「まったく……」

 ぼやきながら私は財布をポケットに押し込み、勝手口から駆け出して行くのだった。
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